コラム

スーツケースにまつわるトラブル

スーツケースで一番故障の多い箇所は、キャリーバー(※)とキャスターです。
それではそれぞれのチェックポイントをまとめてみましょう。

  • プルハンドルともドライブハンドルとも言います

キャリーバーについて

寸法(長さ)
伸ばした時、身長や腕の長さにより(人により)扱いやすさが違います。
寸法が合わないとケースの底面を地面にこすったり、後ろ足で蹴飛ばしたりします。
当社では既存のケース(比較的クレームの出ていない)のそれぞれの長さを基準に寸法を決定しています。

耐久性
荒く扱われるとキャリーバーは変形し、スムースに伸縮しなくなります。
例えばキャリーバーを持ったまま階段を上り下りしたり、荒い地面を長時間引きずったりすると変形します。 
キャリーバーはあくまでケースを引くためのハンドルであり、持ち上げるためではありません。持ち上げるハンドル(グリップハンドル)を持ってください。(添付資料「FP-35フロントオープン強度試験」参照)
操作性
色々な意味での操作性がありますが、まずは取り回しの良さでしょうか?
適度な長さに調節できるものが良いです(調節出来ない単段式、調節可能な2段・3段式、そしてどこでも止まる多段式があります)。
取り回し以外では前述した長さや、後述するガタつきがあります。
ガタつき
伸縮の調整シロを確保するため多少のガタツキは必要です。
但し過度のガタツキは故障の原因ともなるので、ガタツキの少ないものが良いです。
その為にはジョイント部のオーバーラップを長めに設定したものがベターです。
パイプ断面
キャリーバーのパイプ断面には色々な形状があります。
太く長方形の断面が頑丈です。
これは断面二次モーメントが大きいからで、長方形の長辺がモーメントのかかる方向であればベストです。
但しデザイン上、又内容積の確保の観点から横長四角や楕円形上のものも多くあります。
材質
素材は殆どがアルミニウムですが、たまにマグネシウムの物があります。
マグネシウムはアルミニウムに比べ軽く(比重が40%程低い)、強度も高いです(耐力で60%程高い)。
アルミニウムかマグネシウムかはプロになると握ってみれば直ぐに分かります。
これはマグネシウムがアルミニウムに比べ熱伝導率が30%位低く、握ると直ぐ体温に近づき冷たく感じないからです。

キャスターについて

耐久性
キャスターは消耗品です、長く使えばタイヤ部はすり減っていきます。
但し回転に対する耐久性だけでなく、耐衝撃性も必要です。
荒く扱われた時、例えばキャスターを転がしたまま階段を上り下りしたり、荒い地面を長時間引きずったりすると変形します。 
耐久性には様々な要素があるので後程個別に説明します。
(添付資料「FP-35フロントオープン強度試験」参照)
操作性
2輪と4輪により、操作性も異なりますが、取り回しは4輪がベターです。
但しその分内容積は小さくなります。(機内持ち込みサイズで4輪の場合収納スペースはかなり少ないです)
後述するタイヤ径・双輪・単輪によっても操作性は異なります。
何を選ぶかは使い方や個人の好みによります。
静音性
静音性は後述する材質やタイヤ径により異なりますが、耐摩耗性と相反する側面があり、どちらを優先するかは、これも使い方や個人の好みによります。
耐摩耗性
耐摩耗性は後述の材質により大きく異なります。
当社では必ずキャスターの走行試験を実施し、耐摩耗性を確認します。
材質
材質は一般的にはネオプレンゴムかポリウレタン樹脂です。
同じネオプレンゴム・ポリウレタン樹脂でも硬度が違えば静音性や耐摩耗性が異なります。 
硬度が柔らかいほど静かですが直ぐに摩耗します。
タイヤ径
タイヤ径は大きい方が操作性の面でも静音性の面でもベターですが、ケース外寸の制限がある場合(機内持ち込みサイズや受託手荷物最大サイズ)その分ケースの内容積は小さくなります。
一般的なタイヤ径はφ50mmですが、φ60mmやφ100mm(PROTEX CRシリーズのオプション)もあります。
双輪・単輪
キャスターにはトラックにあるようなダブルタイヤ(双輪)とシングルタイヤ(単輪)があり、どちらかと言うと双輪の方が操作性は良いです(その分価格も高いですが・・・)
ストッパー有無
キャスターにはストッパー付きとストッパー無しがあります。 
ストッパー付きは電車移動の時などケースが勝手に移動しないよう車輪を固定することができます。
便利ですが、ストッパーを外すのを忘れて引いてしまうと故障の原因となりますのでご注意ください。

*以下キャスターの参考となるWebサイトを紹介します。

遠藤鞄の静音キャスター

日乃本錠前の静音キャスター